「六華ゼミ」とは?
札幌南高校の在校生を対象に開講するゼミナールです。卒業生(今年は南48期)の中で様々な生き方をしている方たちによる講義を、複数回開催します。将来の進路選びに役立てて頂ければ幸いです。
2023年度の六華ゼミは、8名から9名の講師によって、6月から12月にかけての実施を予定しています。実施スケジュールについては、5月頃に公開予定です。札幌南高校の校舎内で開講されますが、YouTubeの限定公開URLにて閲覧できるようになる予定です。
南48期主催の『六華ゼミ』は、在校生には「社会の多様性・可能性に気付き、将来の選択に活かしてもらうこと」、そして同窓生の方々には「新たな刺激により、学びの楽しさを再び感じてもらうこと」を目的とします。
今年度はより多くの方々に『六華ゼミ』を楽しんでいただくため、zoomによるウェビナー形式での実施(開催時刻15:30-17:00)、およびYouTubeでのアーカイブ公開を行ないます。
今年度のスケジュールが決定いたしました。各日、札幌南高校視聴覚室において15:30-17:00に開催されます。また、アーカイブおよびzoom視聴についての詳細は、近日中に本ウェブサイトにてお伝えいたします。
各回の詳細についても、本ウェブサイトにて随時更新していきます。ご質問はメールにてよろしくお願い致します。[email protected]
【2023年度 六華ゼミ 年間スケジュール】
六華ゼミ第三回を2023年10月6日(金)に開催予定、
六華ゼミ第四回を2023年10月13日(金)に開催予定です。
六華ゼミ第三回のお知らせです。
日時:2023年10月6日(金) 15:30-17:00
場所:札幌南高校・第1体育館
講師:小野 修作
職業:NHK大阪放送局視聴者リレーションセンター開発推進部 部長 (前NHKさいたま放送局 局長)
zoom視聴希望者の方は、下記の申込フォームから申込みをお願い致します。
六華ゼミに関するお問い合わせ先メールアドレス:
[email protected]
六華ゼミ第二回のお知らせです。
日時:2023年8月25日(金) 15:30-17:00
場所:札幌南高校・第1視聴覚教室
(オンライン開催に変更となりました)
講師:水林 亨介
職業:IT エンジニア
zoom視聴希望者の方は、下記の申込フォームから申込みをお願い致します。
六華ゼミに関するお問い合わせ先メールアドレス:
[email protected]
六華ゼミ第二回 開催のご報告
8月25日(金)に六華同窓会2023実行委員会による 【2023六華ゼミ第二回】が開催されましたので、ご報告申し上げます。
第二回は Google Cloud Japan 所属 水林亨介(こうすけ)さんによる講演
『ITと天気と地図とビール』
札幌市内はお盆明けにも関わらず猛暑日が続き、ゼミ当日は生徒さんたちの健康面を鑑みて午前中の完全下校が決定。急遽体育館から視聴覚室へ場所を移し、開催形態は完全オンラインに変更となりました。ゼミ設営隊は卒業以来、懐かしの視聴覚室を訪問。室温30度超えの中、先生がご親切に大きな扇風機を数台準備してくださり、全員汗だくでの設営・開催となりました。
Google社員でありながら気象予報士、狩猟免許を持つ日本産ホップ推進委員会委員、2009年未踏IT人材発掘・育成プロジェクト採択者と素晴らしい経歴をお持ちの水林くんなのですが、設営隊員曰く、見た目は完全に“アロハを着ている亀仙人(笑)”!! タイトル4つのどこがどうつながっているのだろう、というワクワクした気持ちをのせていざスタートです。
6歳からお父さまのマイコンに触る根っからのエンジニア、一世を風靡したWindows95発売時にちょうど南高1年生、すでに自身のPCを入手していたそうです。ビールは苦くてはじめは嫌いだったということですが、22歳時に人生を変えるギネスビールとの衝撃の出会いを果たしビール沼にはまっていきます。卒業旅行もビールを飲みたいがためにベルギーを訪れたという水林氏。飲んで楽しむだけにとどまらず、ビールの原材料のひとつで苦味や旨味の決め手になるという、毬花の緑が鮮やかなホップに注目。開拓使顧問ケプロンの助手であったトーマス・アンチセルが1871年に野生のホップを発見したことがきっかけで道内にたくさんホップが栽培されるようになり、1876年から現在のサッポロビールの前身である『開拓使麦酒醸造所』が開業。本業は位置情報アプリの開発に従事しているだけあってご家族とともにその開拓使の足跡を追って旅行されたそうです。明治初頭の札幌市内は驚くほど建物も何もない野原でしたが、やがて各所にホップ畑ができて現在もその痕跡が残っていることなど、紹介してくれた地図の変遷から歴史がよく理解できました。
2016年には、岩手県遠野市にてFIELD HACK TONO というGoogle社主催の東北支援プロジェクトに参加(社員ではなく公募で応募)。日本全国の最先端技術と地域資源や人材がつながり、その地域の可能性を生み出していくという試みで、水林くんは気象予報士という立場から「気象予報とAI(人工知能)によるホップの栽培管理」を担当。地元の農家さんの年間作業日誌をデータ化→その期間の気象データをAIに学習→google cloud環境を活用し統計の解析を行って今後の気象データからホップ栽培における農作業のタイミングを的確に予測することに成功しました。高齢化するベテラン農家さんの世代交代は全国でも非常に難しい問題で、農家さんしか知り得ない知識や経験の蓄積がAIによって新規参農する方々の手助けになる可能性が開けるという素晴らしいプロジェクトの内容に、ITと天気と地図とビール、ここでつながったかー!!!と鳥肌が立ちました。ちなみに、気象予報士からのすぐに使える豆知識としては、予報が同じ雨だとしても信頼度(Aバッチリ B まずまず C 自信なし)をチェックしたり、気温の予想範囲も見てみてくださいね、とのことでした。
最後に、その時点の自分にとっての面白い・興味があることを追求していくとあとからどんどんつながってくるかもしれないので、ぜひ『自分の好きなこと』を大切にしてくださいと在校生へのメッセージをいただきました。自分自身が大好きなもので形作られている水林くん、皆を和ませる笑顔や柔らかい雰囲気がとても素敵な方で、実験ではペットボトルに雲を作ってくれて大盛り上がり!実際に会場で皆様に見ていただきたかったです。急遽完全オンライン開催となりましたが、Zoomに慣れていない生徒さんたちも一生懸命チャットで質問して下さり、たくさんの方々のご参加を企画部・設営隊一同、心より感謝申し上げます。まだまだ配信には至らぬ点が多いかと思いますが、回を重ねるごとにノウハウを共有してアップデートしていきますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
文責 企画部 鬼原理枝
六華ゼミ第二回のアーカイブ視聴については準備中です。
六華ゼミ第一回のお知らせです。
日時:2023年6月23日(金) 15:30-17:00
場所:札幌南高校・第1体育館
(第1視聴覚教室から変更になりました)
講師:石川 理子
職業:神経科学者
zoom視聴希望者の方は、下記の申込フォームから申込みをお願い致します。
(申込受付は終了しました)
六華ゼミに関するお問い合わせ先メールアドレス:
[email protected]
六華ゼミ第一回 開催のご報告
6月23日(金)に六華同窓会2023実行委員会による 【2023六華ゼミ第一回】が開催されましたので、ご報告申し上げます。
第一回は 慶應義塾大学医学部生理学教室 助教 石川理子さんによる講演
『私が感じる世界の不思議~脳とはいったい何なのか?』
何と集まった緑ジャージの南高1年生は230人を超えていました!開催場所は急遽視聴覚室から体育館に変更となりました。しかも皆さん、続々と最前列から順番に座って下さり、『我々の高校時代はこんなに真面目だったかな、、、?』と胸に手を当てて考える設営チーム。
石川さんは海外産まれ札幌育ち、中学で全国駅伝の代表選手に選ばれ、高校では陸上部に所属し、ひたすらタイムをのばすこと以外は考えていなかったという高校時代。学生の皆さんは現在の自分の毎日と重ね合わせている様子で一生懸命メモを取り、理子先生のお話にどんどん引き込まれていました。
話題は脳機能の不思議に移っていきます。脳はだまされる臓器であり、目で見ているものをそのまま変換しているわけではなく、いきいきとした感覚として認識しているそうです。『さて、自分の見ている赤と他人の見ている赤は果たして同じ色なのでしょうか?』という問いかけに、はっと気づかされる我々。持った感覚としては小さいボールがより重く感じるのに、実際に重さを測ると大きいボールのほうが重たいということを、前に出てきた学生さんが実験してくれました。脳には約100億個の神経細胞があり、細胞同士は互いに独立したクラスターを形成してつながっていること、神経回路を調べる実験手法の動画の紹介もあり、脳の実験は地道でとても細かい作業の積み重ねであることを知りました。色・形の把握は生後の様々な視覚経験に基づくものであること、物を見る能力は光に依存することを証明するため、わざとラットの目が見えないよう工夫して育てるという実験に皆さんとても興味があったようです。
印象的だったのは石川さんの研究者としての姿勢です。研究者は皆、必ずしも世の中の役に立つと思って研究をしているわけではなく、すごくシンプルに『わからないことを知りたいと思う気持ち』を追究しているとのことでした。現役生へのメッセージはたくさんの本を読むこと、もし超えられない壁にぶつかったら知識のある誰かを頼って質問してほしいこと、皆さんの目の前にはいかに多様で素晴らしい世界が広がっていることを知って欲しいと仰っていました。あとは、女性研究者がもっともっと増えてほしいこと、『結婚・出産を経ても好きな研究を続けられるよう先人の我々が環境整備を何とかしますから、胸を張って理系に進んでください!』との力強い言葉に感動しました。講義時間ぎりぎりまで答えきれないほどたくさんの質問があり、事後アンケートにも丁寧に回答していただき、現役生の積極的な姿勢が素晴らしいと感じた六華ゼミでした。
初回ということでまずは会場の運営を優先したためZoom配信に不備が多く、当日視聴して下さった皆様にはお詫び申し上げるとともに、今回の反省点を次回以降のゼミにしっかりと反映して参ります。アーカイブ配信もどうぞ楽しみにお待ち下さいませ。
文責 企画部 鬼原 理枝
六華ゼミ第一回のアーカイブ視聴希望者は、
下記申込フォームよりお申込みをお願い致します。
https://forms.gle/bnVpMD7vkNa3XENg6